溺愛王子とヒミツな同居
「まりやは有紗に会うの初めてだったよね。紹介するよ。
俺の妹の有紗。今年中学にあがったばかりなんだ」
ちゅ……中学生!? てことは、今年の3月までランドセル背負ってたってこと!?
嘘っ……すごく大人っぽい……っ。
足なんてスラーッとしてて、身長も結構あるし、中学生って言うより下手したら大学生でも通用しちゃうんじゃ……。
軽くショックな情報を与えられ、自分の体とつい見比べてしまった。
ま、負けてる……かもしれない……。
「あなたがヒロ兄の幼なじみのまりやさん?」
急に名前を呼ばれて、背筋がピンと伸びる。
「ふーん。確かに可愛い……この人が……」
目を細めると私を上から下まで見ては、ブツブツと呟いている有紗さん。
初対面なのに、品定めされてるみたいで何故か居心地の悪さを感じていた。
「初めまして、有紗です。
ヒロ兄のこと男の人として大好きなんで、よろしくお願いします」
聞いたことのない中学生とは思えない自己紹介に唖然。
さすがイケメンのお兄さん達を持つだけある。
綺麗な大人っぽい笑顔で笑った有紗さんに何も言葉が出てこなかった。
「そんな自己紹介があるか……。
有紗、いい加減にしろよ」