溺愛王子とヒミツな同居
祝福してくれる谷山君に向かって、疑いの目を向ける大翔君に慌ててフォローを入れようとする。
それに、谷山君は苦笑いを漏らしていた。
「ヒロって可愛くなーい。素直に喜んでおけばいいのに。
そんなこと言ってると、俺がまりやもらっちゃうよ?」
えぇっ!?
じょ、冗談でもそれは……私は大翔君しか考えられないから。
誰も聞いてもいないのに、心の中で必死に答えを考えてしまって、自分で赤くなった。
「そんなことさせねーし。
やっと俺のものになったんだし、誰にも邪魔させない」
さっきよりもっと赤くなってしまう。
恥ずかしがることなく、こんなことをサラリと言ってくれる大翔君。
私、一生ドキドキしてる気がする。
「カッコイイ〜!! これだからヒロはモテるんだって。
両想いになったからって、俺がいる間はイチャつくなよー」
「さぁな。居候なんだから空気読んで少しは気遣え」
「うーわっ。ヒロこそ俺にもっと気遣えよ!」
谷山君が同居するって聞かされた時は、この先不安だらけだったけど、よかった。
大翔君と同居してることが他の人に知られる心配は拭えないけど、とりあえず安心しても……大丈夫だよね。
これからは上手くやっていけそうな、そんな気持ちでいっぱいだった。