溺愛王子とヒミツな同居
「う……っ。今は修行中で……」
痛いところをつく祥吾にまりやが言葉を詰まらせる。
一応女の子って……こいつ、光よりも失礼なこと言いすぎだし。
つーか、遠慮なく間に入ってきてんじゃねーよ。
繋がったたくあんを両手で持ち上げて、残念そうに首を振り我が物顔でダイニングチェアに腰を下ろす祥吾。
「あー。俺がいるのにお構いなしにイチャつこうとかしないでよね……」
小さな声でブツブツ呟く祥吾が何を言ってるのかは聞こえなかったけど、最近こういう姿をよく目にする。
俺とまりやが両想いになった日から、何度か。
まりやは気付いてないみたいだけど、俺は妙に気になっていた。
やっと出来上がった昼飯に祥吾が渋い顔を向けてくる。
「何だよ。何か文句あんのか」
文句を言いそうな顔つきの祥吾をまりやの代わりに睨み返してやる。