溺愛王子とヒミツな同居



「……ごめん」



ベッドに座れば、寄り添うようにぴったりとくっついてくるまりや。



俺は、静かに謝った。



そんな俺に、まりやは何も言わずにただ首を横に振って応えてくれた。



「お前が祥吾にキスされてるんだと思ったら、頭に血が上って冷静でいられなくなった。

……自分のことよりも、お前のことを優先しなきゃいけなかったのに、ごめんな」



「私は何もされてないよ……。谷山君の様子は、いつもと少し違って怖かったけど……何もされてない」



それを聞いただけで、無意識に力が入っていた体からゆっくりと力を抜くようにして息を吐く。



「お前に何もなくて安心した……。1人で怒ったりして、ほんとカッコ悪いな、俺……」



自分のことを鼻で笑う俺に、そんなことないと、また首を横に振って言ってくれるまりやに、俺は、少しだけどようやく笑うことができた。



そんな俺の様子に、まりやも安心したみたいで、小さくだけどやっと俺に笑顔を見せてくれた。



だけど、その笑顔を見られたのはほんの一瞬で、また何かを考え込んでは顔を下に向ける。



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