溺愛王子とヒミツな同居
「ったく……。面倒な奴だ」
口では文句を言いながら、ちゃんと宮内君を呼びに行ってくれる大翔君。
やっぱり優しい人だな……なんて思って見ていると、宮内君に話しかけた大翔君まで、あっという間に女の人に囲まれてしまった。
「えーっ!! 何このイケメン! 本当に高校生なの!?」
「こっちの子もカッコイイけど、お友達はヤバくない!? ちょっと、私たちと遊びましょうよ」
綺麗なOLさんらしい女の人数人が、目の色を変えて大翔君にベタベタと触りだす。
それを目の当たりにして、嫌だと思いながらも何もできずに下を向いて、見えないフリをしてしまった。
「まりや、いいの? あんたのダンナ絡まれてるよ」
私の様子に気付いてた栞は、そっと声をかけてくれた。
「大丈夫……。何でもないよ」
無理矢理に笑顔を貼り付けて笑った私に、困ったように栞は笑っていた。
本当は、私の好きな人に触らないでって声に出していいたいけど、こんなのただの私のヤキモチだもん。