溺愛王子とヒミツな同居
「悪いけど、俺は彼女以外の女に興味ないんで、離してもらえますか」
キャーキャー騒ぐ女の人たちの声の中から、ハッキリと迷いなく告げる声が私に聞こえてきた。
ベタベタ触っていた女の人たちも呆然とするしかなくて、隣にいた宮内君も何か言いたげな視線を大翔君に送っていた。
「あははは! あんたのダンナやるじゃん。あんなにハッキリ言ってくれるなんて、愛されてるね~、まりやは」
栞が大きな声でダンナって連呼するから、周りの人に変な目で見られてるよ。
恥ずかしくて耐え切れなくなった私は、逃げるように栞を引っ張り入口のゲートに一直線に進んでいく。
すれ違い様に、大翔君と宮内君に器用に声をかけた栞は、あとでプールサイドで合流ねと言い残し、手を振って私の後をついてくる。
「まりや、水着に着替えたら、見せ合いっこだからな~」
「う、うん。わかった」
女子ロッカー室に着いた私たちは、それぞれ個室に入って着替えを済ませる。