溺愛王子とヒミツな同居
また騒がしくなりかけてた教室内は、俺の声で一瞬にして凍りつく。
そこへ、噂の当事者がのん気に欠伸をして、隣の教室からやってきた。
「朝からみんなして、なに騒いでんの。元気だね」
「祥吾いいとこに来た! お前この真相どうなんだよ?」
黒板を指差して、祥吾に迫る野次馬たち。
眠そうにしてた祥吾も言われて黒板を見ると、目を見開いていた。
「なんだ……これ……っ」
「遊園地でお前が告白してるところ、見た奴がいるんだって! 藤沢と付き合ってるんだろ」
またうるさくなった教室内は、手を叩いてみんなして「吐け」コールをしだした。
「は……。バカじゃん、お前ら。
俺がそんなことするわけないし」
平静を装いながら、黒板に書かれている絵や文字を消しにいく祥吾。
それをまた好奇の目で見る奴らもいた。