溺愛王子とヒミツな同居



すると、ドサッと大きな音をたてながら、俺の目の前でまりやが崩れ落ちた。



その音にクラスのみんなが一斉に俺を見る。



俺も自分の足元を見つめて、心臓がドクンと嫌な音をたてる。



「……まりや!!」



床に倒れ込んだまりやの上体を素早く起こすと、息を肩で吐きながら、苦しそうに表情を歪めていた。



すげぇ熱い。



こんなになるまで、なんで我慢してたんだよ。



まりやの異変にすぐ気付けなかった自分を悔いながら、腕の中にいるまりやを抱き上げる。



「きゃ~!! 大翔君が、藤沢さん抱っこしてる」



「いやぁー!! どういうこと、これ!?」



また騒然となるクラスメイト達に構うことなく、まりやを抱いたまま教室を出た。



「光、悪いけど悠二に説明しといて。あとはお前に任せる」



「……わかった。オレと米ちゃんでやらかしちゃった集団絞めとくから安心して行ってきなよ」



すれ違い様に光にそれだけ伝えると、うるさく騒ぎたてる廊下を歩いて保健室を目指す。



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