溺愛王子とヒミツな同居
「……っぶねー……。大丈夫か」
「……大翔……君?」
目の前には大翔君の顔がドアップで映り、私の体をちゃんと支えて受け止めてくれたことに改めて気付く。
「ちゃんと寝てないとダメだろ。
心臓止まるかと思った……」
ぎゅっと抱きしめられて、はぁーっと長い安堵の息が聞こえてきた。
本当に心配してくれたんだと、それだけで目頭が熱くなる。
熱があるせいか、いつもより涙腺が緩んでる気がする。
「まりや、大丈夫……?」
その声にびっくりして、首を横に動かすと谷山君が心配そうな顔で私を見下ろしていた。
彼の姿をまともに見るのはあの温水プールと遊園地に行った日以来で、どんな顔したらいいのかわからなくて、すぐにうつむいた。