溺愛王子とヒミツな同居



「それから、谷山君にも……逃げるように帰っちゃってごめんなさい。

あんなこと言われて、突然すぎてどうしていいのかわからなくなっちゃって」



「まりやが謝る必要はないよ。俺の方こそ……ごめん。
あの後、光にすげぇ説教されたよ……。

もっと人の気持ちを考えられるようになれって。
子供の頃からわがままばっかり言って、まりやを困らせてきたからね。

俺って、全然成長してないなって自分でも思ってるよ」




谷山君が謝ってくれるなんて思ってもみなかった。



彼の声を聞いてると、以前よりも少し柔らかくなったように感じる。



「まりやの話の前に、俺……なりに考えたこと聞いてくれる?

今さらだし、俺の話なんて聞きたくもないと思うけど……。

素直じゃない俺が自分なりに悩んでちゃんとケジメつけてきたんだから、超レアだよ」



少し冗談を交えて話す谷山君は、きっと場の雰囲気を和まそうとして言ってくれたんだろうと思った。



スゥーっと静かに息を吸い込み、ハーっと吐き終えると真っ直ぐに私と大翔君を見る。



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