溺愛王子とヒミツな同居



「ごめん。俺、2人の邪魔したかったわけじゃないんだ。
散々、邪魔するようなことばかり言ってたから信じられないかもしれないけど。

前にも言ったと思うけど、ヒロは小さい頃から俺の憧れの存在で、なれるならヒロみたいな優しくて温かい奴になりたいってずっと思ってた。

何でもヒロがやること真似してたら近付けるんじゃないかって、今思うとすごい無駄な努力だけど、それくらい憧れてたんだよ。

ヒロの家に遊びに行った時、初めて俺とまりやが会った時のこと覚えてる?」



初めて会った時のこと?



私の記憶の中にある思い出は、いつも泣いてる私がいて、嫌なことばかり。



谷山君と初めて会った時のことは、全然覚えてなくて、申し訳なく思いながら首を横に振る。



「だよね……。たぶん覚えてるのは俺だけだと思う。
初めて会った時、人見知りだった俺に笑って話しかけてくれたのがまりやだったんだ。

今日からお友達だねって。
それがすごく嬉しかった……初めてできた女の友達だったから。

それからヒロん家に遊びに行くのが俺の楽しみになった。
行けば、まりやに会えるってウキウキしてたんだ」



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