溺愛王子とヒミツな同居
「その子が覚えてないのも無理ないって」
全部見ていた栞が口を挟んできた。
「君は?」
「あたしは、この子の親友の米倉栞。よろしく!」
席を立って私の横に来た栞は、フレンドリーに2人に挨拶していた。
「まりやちゃんが覚えてないのも無理ないって、どういうこと?」
気になって仕方ないという彼は、突っ込んで聞いてくる。
申し訳なく思ってる私は、何も言えず口をつぐんでしまった。
「まりやは、他の男に興味ないんだ」
「し、栞……っ」
「本当のことじゃん。隠しても仕方ないでしょ」
迷わず答えた栞に少し焦り、2人の様子をうかがってみた。
栞以外にこの話したことがないから、何か恥ずかしい。