溺愛王子とヒミツな同居



「まりやと付き合ってるのは俺だよ。

今もこれからも大事にしたいのはあいつだけ。

……だから、俺のものに手ぇ出すなよ?」




男子だけじゃなく、女子も含めてハッキリ言い切った俺に、静まり返った教室内が悲鳴の嵐に変わる。



「ひ、ヒロ君に彼女……」



「う、嘘でしょぉ〜……」



バタッと倒れる女子数人。



まりやに好意を寄せていた男子たちもショックを隠しきれず、その場に座り込む奴もいる。



「ヒロは、やっぱカッコイイねぇ。まりやがいたら惚れ直したと思うよ。

それにしても、この状況どうすんの? 兄貴来ても授業になんないじゃん」



そう言いながら、俺に近付いてきた祥吾。



光がそれに続いた。



「ほんとだよ。あんなこと普通言えないって。

まさか本当に言うなんて思わなかったけど」



元はと言えば、全部こいつらのせいだ。



2人が悪ノリして話を大きくしたせいだと、嬉しそうに笑う祥吾と光に仏頂面を返す。



「あ〜! 今の録画しとけばよかったじゃん!」



今ひらめいたと言わんばかりに、手をポンッと叩く光。



冗談じゃない。



こんな恥ずかしいこと二度と言えるか……。



はぁっと息を吐き出す俺をさっきからバッチリと撮影してた奴がいたなんて。


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