溺愛王子とヒミツな同居
「急にどうした?」
私が変なこと言ったから、大翔君が心配してる。
「ふと思っただけなんだけど……。
大翔君と同居するようになって2ヶ月が過ぎたし、こうして一緒にご飯食べたり、料理教えてもらったり……、
当たり前だと思ってた生活があと1ヶ月で終わっちゃうんだなーって思ったら、何か寂しくなっちゃって」
最初は、両親たちのとんでもない提案に、呆然とするしかなくて、再会したばかりの大翔君と一緒に住むだなんて無理だと思った。
1人暮らしなんて考えただけで不安だったけど、大翔君に迷惑かけるくらいなら断ろうとしてたのに。
こんな無茶なお願いにも嫌な顔ひとつせずに、受けてくれた。
家事がほとんどできない私に呆れずに、根気よく1つずつ丁寧に教えてくれた。
大翔君と暮らす毎日は本当に楽しくて、1日があっという間で、期限付きの同居っていうこともすっかり忘れてたくらい。
「まだ1ヶ月もあるだろ」
「えっ?」