溺愛王子とヒミツな同居
「その話マジなの?
そうだったらオレ、めっちゃショックなんだけど」
眉を下げて、悲しそうな目を私に向けてくる。
「お前……絶対に勘違いしてるだろ」
「たとえ、女の子が好きだとしても、オレは気にしないから!」
え……? 女の子……?
固まった私の隣で、プッと吹き出す栞の声が聞こえた。
「ほんと、お前ってバカすぎる……」
ヒロト君もちゃんとわかってくれてるみたいで、友達さんに冷ややかな視線を浴びせていた。
「はぁ!? オレのこの頭に向かってそういうこと言うのか、大翔は!」
「バカにバカって言って何が悪い。
大袈裟に騒ぐんじゃねーよ。 彼女は、女の子が好きなわけじゃねーっての」
私をさりげなくフォローしてくれた彼は、チラッと一瞬だけ私に目を合わせた。
「マジかよ……。 オレ、超ハズい奴じゃん……。
いや、でも!最初の印象はバッチリだな。
オレは宮内光(ミヤウチヒカル)
女の子大好きだから、2人共よろしくー!」
宮内君という彼はヒラヒラと手を振って、ウインクをしてきた。
その行動には見覚えがある。