溺愛王子とヒミツな同居



「その話マジなの?

そうだったらオレ、めっちゃショックなんだけど」



眉を下げて、悲しそうな目を私に向けてくる。



「お前……絶対に勘違いしてるだろ」



「たとえ、女の子が好きだとしても、オレは気にしないから!」



え……? 女の子……?



固まった私の隣で、プッと吹き出す栞の声が聞こえた。



「ほんと、お前ってバカすぎる……」



ヒロト君もちゃんとわかってくれてるみたいで、友達さんに冷ややかな視線を浴びせていた。



「はぁ!? オレのこの頭に向かってそういうこと言うのか、大翔は!」



「バカにバカって言って何が悪い。

大袈裟に騒ぐんじゃねーよ。 彼女は、女の子が好きなわけじゃねーっての」



私をさりげなくフォローしてくれた彼は、チラッと一瞬だけ私に目を合わせた。



「マジかよ……。 オレ、超ハズい奴じゃん……。
いや、でも!最初の印象はバッチリだな。

オレは宮内光(ミヤウチヒカル)
女の子大好きだから、2人共よろしくー!」



宮内君という彼はヒラヒラと手を振って、ウインクをしてきた。



その行動には見覚えがある。



< 43 / 437 >

この作品をシェア

pagetop