溺愛王子とヒミツな同居

「ありがと……っ。大翔君……」



私を包んでくれる腕は、いつも優しくて、温かくて、安心する。



「お礼なんて言わなくていいって。

俺がお前と一緒にいたいだけなんだから。

だから、もう泣くな」



「……っ、うん……大翔君と離れたくないって思ってたから、嬉しい」



いくら拭ってくれても、涙はどんどん溢れてきて、大翔君を困らせるばかり。



泣き止まなきゃってそう思うのに、思えば思うほど言うことを聞いてくれない。



「やっと、本音が出たな」



……えっ？



どういうことかと聞こうとしたけど、体がフワッと浮いて、何が起きてるのかと把握する前にストンと大翔君の手によって座らされる。



見上げれば、目の前には整った大翔君の綺麗な顔。



至近距離で目が合ってしまって、途端に顔が熱くなる。