溺愛王子とヒミツな同居
下を向こうとして、今の自分がどんな状態にいるのか気付いた。
「ひ、大翔君……っ!」
「何……?」
涼しい顔で首を傾げて聞き返してくる大翔君に、今度は口ごもる。
そ、そんな可愛らしく聞き返されると、何も言えなくなっちゃう……。
大翔君の膝の上に向かい合って座らされた私は、逃げ場がない。
恥ずかしくて、どうにかしなきゃと思っても、動くこともできない。
「まだ泣いてる」
私の目尻にそっと触れた大翔君は、そのまま頬……そして唇へと指を滑らせていく。
それがくすぐったくて、嬉しくて泣いてたのか、困って泣いてたのか、自分でもわからなくなってくる。