溺愛王子とヒミツな同居
どうして私の名前知ってるのか聞きたかったけど、
始業式開始のアナウンスが流れて、それはできなかった。
「同じクラスで席も近いし、これから友達よろしくねー」
見た目とは違って、人懐っこい笑顔の宮内君。
高校に入ってから初めての男の子の友達ができた。
始業式も無事に終わり、ちょっと一息。
私達のクラスの担任の先生は、1年の時に担任だった谷山先生。
“谷先”と生徒から親しみのあるあだ名を付けられた、バスケ部顧問の28歳のイケメン先生。
生徒のことをいちばんに考えて、優しく時に厳しいとても頼りになる先生だ。
「1年の時に一緒だった奴もいるが、今日から1年間みんなよろしくなー」
谷山先生が担任になってほしかったという生徒も多くて、女子たちは喜んで元気に返事をしていた。
その後、教材の受け渡しと委員決めなどがあり、この日は解散。
帰る支度をして、席を立ちあがると栞がやってきた。