溺愛王子とヒミツな同居
確かに昔そんなこと言ったこともあったけど……
でも、それは昔の話で。
「本当はまりやちゃんのことうちで預かるのがいちばんだと思うんだけど、実は私達夫婦もね、これから4ヶ月間、海外に商品を買いつけに行くのよ。
私達、海外の家具を国内で売っていてね。
今回は品揃えを大幅に増やすことにしたから、夫婦で買い付けに行かなきゃ間に合わなくて」
強いおばさんの押しに何とか頑張ってきた私も、もう返す言葉が見つからない。
がっくりと肩を落として、盛り上がるお母さん2人に重い溜め息を吐く。
「そんなに心配することねーよ。
まりやのことは、ちゃんと俺が守ってやるから」
思いがけない言葉と一緒に笑った大翔君の顔に、もう何も言えない。
「う、うん」
素直に頷くしかなかった。
「まりやちゃん、何も心配いらないわ。
大翔は、料理、洗濯、掃除と何でもできるように育ててきたから。
困ったら、この子を頼ってね!」
「まぁ! 素敵じゃない!まーちゃん、良かったわね」