溺愛王子とヒミツな同居
★再会、約束の日-大翔side-
「ヒュ~。結構可愛い子ちゃんいるじゃん」
新しい教室に着くなり、女好きの光らしい第一声に呆れ返る。
こいつの頭の中は、年中女のことしかないのかよ。
よく知らない女にまでニコニコ笑って、手を振りまくる光を放置して、さっさと窓際の自分の席に着く。
「なぁ、大翔も少しはニッコリしてやれよ。
あの女の子たちの熱い視線、気付いてないわけじゃないだろ」
いつの間にか、俺の席の真後ろに来た光がニヤニヤ笑っていた。
「お前じゃないんだから、そんなのいちいち気にするか」
「相変わらずお堅いよねぇ。
そんなんじゃ、恋も知らないまま、かった~い頭のお地蔵さんみたいなおじいちゃんになっちゃうんじゃない?」
「何だそれ。もしそうなったら、お前の柔らかすぎるフニャフニャの脳みそに、そのかった~い頭で頭突きしてやるから、覚悟しろ」
「ほんとにやりそうだから、それ。
もう、冗談なのにマジ顔で返すなよ」
鞄から鏡を取り出して、髪形をチェックし始めた光。