溺愛王子とヒミツな同居
「それがダメなのよー」
母さんに、やんわりと遮られた。
「ほら、お父さんが今年はやる気になってるでしょ?
いい家具職人さんにもあちこちで知り合えたみたいだし。
ここで集中して海外で買い付けしたいから、4ヶ月程一緒に来てくれって頼まれて。
それに、大翔も大きくなったし、頑張ればもう1人くらいは、産めるんじゃないかな~って」
「はぁ!? 何考えてんだよ……!
親父もいい歳して、恥ずかしくないのか」
さすがにビックリした俺は、ついデカい声を出していた。
「大翔が了承してくれないと困るのよ。
まりやちゃんを3ヶ月も1人にさせて、平気なの?
女の子があんな広い家に1人で……もし、何かあったらどうするの?
変な男に目を付けられて、ストーカーでもされたら……!」
目頭を押さえて、泣き出した母さん。
「……っ」
嘘泣きだってわかってるけど、母さんに何も言い返せなかった。
言われたことに否定はできなかったから。
もし、あいつに何かあったら……俺は……。
「……わかったよ」