溺愛王子とヒミツな同居
「どうしてって……ずっとここにいたけど」
まだ俺のことをわかっていないまりやは、ただのクラスメイトがここにいることが理解できていない。
そんな様子を見て、母さんとおばさんの2人は、クスクス笑い出す。
「え!? お母さん、これって……」
「まーちゃんがビックリするのも無理ないわ。
大翔君、すっごーくカッコよくなったし、私も一瞬わからなかったもの」
「そうね。我が息子ながら自慢のイケメンに育ったものねぇ」
ニヤニヤと笑ってくる母さんに
「恥ずかしくないのかよ……」
と冷めた表情を向けた。
「あら、お父さんとお母さんのいい所ばかり持って生まれてきて、文句あるの?」
「別に……」
長い説教が始まりそうで、そっと息を吐き出すとまりやが近付いてきた。
緊張した面持ちで、何かを伝えようとしてくる。
「だ……大くん……?」