溺愛王子とヒミツな同居
小さい頃よりも、声もしゃべり方も大人っぽくなったその呼び方に、また懐かしさを感じた。
俺のことを忘れずに覚えていてくれたこと、それが本当に嬉しかった。
「……何?」
まりやの目をしっかりと見て、返事を返す。
1粒の涙がまりやの瞳から零れ落ち、頬を伝っていく。
突然の涙に驚いたけど、ポンッと頭の上に手を乗せてやる。
こうすると、すぐに泣き止むことを知ってるから。
「何泣いてんの。ちゃんと約束……守ったろ?
まりや、久しぶりだな」
これでやっと、本当の意味で再会できた気がした。
1年前にはもう再会してた。
この街を離れても、忘れることができなかった。
他の女に全く興味がない俺が、ずっと気になっていた女の子。
まりや、やっと会えたな。