溺愛王子とヒミツな同居
「まぁ! 感動の再会ね」
パチパチと拍手するおばさんに、恥ずかしくなったのか、まりやの顔がほんのりと赤くなる。
それに気付き、一度クシャリと頭を撫でると手を離した。
「これなら2人を一緒に同居させても心配なさそうじゃない」
母さんの声に、ここに来た本来の目的を思い出す。
「え? 同居って何?」
キョトンとするまりやに、思わず3人で顔を見合わせた。
まだ同居の話を聞かされていなかったらしいその口ぶりに、やっぱりと確信した。
こんな大事な話を自分たちだけで勝手に決めるなんて
コソコソと何かを相談する母親2人に困り果てた。
「まーちゃん、あのね……お父さんが仕事の都合で3ヶ月出張しなきゃいけなくなったの」
「うん? お父さんだけでしょ」
まだ何も知らないまりやに、最強の母親2人組から本当のことを告げられる。
俺も一度は了承したけど、やっぱりまりやの気持ちが一番大事だ。
いくら知ってるとはいえ、男と2人で暮らすなんて、もし俺が女でも嫌だって思うしな。