溺愛王子とヒミツな同居
「それがね、今回は長引くかもしれないから、私も一緒に行くことになって。
ほら、お父さん1人じゃ何もできない人だから。
でも、一応3ヶ月だけだと思うと、まーちゃんを連れていくわけにもいかないでしょ、学校があるし。
おばあちゃんは、海外旅行に行っててしばらくは帰ってこないし……どうしようか悩んでたの」
長期になるおじさんの出張話に、呆然とするまりや。
突然聞かされたんだ、無理もない。
たとえ3ヶ月でも、1人で暮らすことに不安を感じるのかもしれない。
「まりやちゃん、安心して!」
まりやの肩をポンッと叩いた母さんはついに、爆弾を投下しやがった。
「美奈ちゃん達がいない3ヶ月の間、大翔を同居させるから」
爆弾発言に、まりやは手に持っていた鞄を床に落とした。
「美奈ちゃんがね、まりやちゃんを1人にさせるのは心配だって言うから、私が提案したの。
最近は物騒だし、まりやちゃんがこんなに可愛いんじゃ、私も心配だしね。
3ヶ月だから、転校させるわけにもいかないってことで、それなら全然知らない人に頼むよりも、
小さい頃から知ってる大翔に、ボディーガードも兼ねて同居させたらってことになったのよ!
どう? 名案でしょ!?」
「…………」
何が名案だよ。
だから言ったんだ、やめた方がいいって。