溺愛王子とヒミツな同居
それにしても、うちの母さんも最強だけど、まりやの母さんも負けず劣らずって感じだな……。
「でも、おばさん達は、大翔君を同居させること心配じゃないんですか?」
「ノープロブレムよ! ほら、まりやちゃん小さい頃から、大翔のお嫁さんになりたいって言ってたでしょ!」
幼稚園の頃の記憶を引っ張り出してきて、断れないように沢山の言い訳を考えてきたに違いないと、ハメられた俺は密かに思った。
自分たち夫婦も海外に家具の買い付けに4ヶ月行くことを、母さんがまりやに伝える。
一度言い出したら、何を言っても曲げない母さんに、俺もまりやも折れるしかなかった。
がっくりとあきらめて肩を落とすまりやに、目線を合わせる。
「そんなに心配することねーよ。
まりやのことは、ちゃんと俺が守ってやるから」
この言葉に嘘はない。
同居という提案がなくても、俺なりに3ヶ月の間、まりやのことを守ろうと考えていたから。
「う、うん」
笑った俺に、戸惑いながらも素直に頷いた。
「まりやちゃん、何も心配いらないわ。
大翔は、料理、洗濯、掃除、何でもできるように育ててきたから。
困ったらこの子を頼ってね!」