溺愛王子とヒミツな同居
タクシーに乗り込んだ2人に手を振って、見えなくなるまで見送った。
「……行っちゃった」
たった3ヶ月だけど、長いよね。
大翔君は、後から来てくれるって話だけど、ちゃんと普通に話せるかな。
幼なじみだけど、2人きりになるのなんて小学生以来だし。
あの頃とは、きっと全然違うよね。
すごくカッコいいし、私……どうしよう……。
これから始まる初恋の人との同居生活を想像しすぎて、既に頭はパンク状態。
深呼吸を繰り返して、熱い顔に手を添えながら家の中に入った。
シーン……と静まる家の中で、ふとお母さんが昨日言っていたことを思い出す。
『ヒロ君の部屋、まーちゃんの隣にしたから、寂しくなっても大丈夫!』
あれは、どういう意味なんだろう。