溺愛王子とヒミツな同居
「ううん、大翔君に無理にこんなことお願いしたのはこっちだから」
大翔君の部屋のドアを開けると、ちゃんと生活できるように、ベッド、テレビ、机と最低限使うものがきっちり置かれていた。
「おばさんに感謝しなきゃな」
部屋に入って、持っていた荷物をベッドの上に置く。
「あの、改めて3ヶ月よろしくお願いします」
遠慮がちに頭を下げた私の心の中は、申し訳なさでいっぱい。
こんな無茶苦茶なこと引き受けてくれて、本当は嫌だったかもしれないのに。
すると、クスクス笑う声が聞こえた。
顔を上げたら、大翔君が楽しそうに少し笑って、私の目の前に立っている。
見上げて、背が高いことを改めて感じた。
小さい頃は、私の方が少し大きかったのに。
「そんな固くなるな。て言っても無理か……。
8年も会ってなかったし。
いきなり男と2人で住むなんて、やっぱ不安だよな」