溺愛王子とヒミツな同居
あ……、もしかして私のことを気遣ってくれてる……?
久しぶりだし、戸惑いも不安も正直まだ拭いきれないけど。
「大丈夫。少し……緊張してるだけだから」
そう言って笑うと、大翔君は静かに頷いた。
「じゃ、私は部屋に戻ってるから、何か用事があったら言ってね」
何を話したらいいのかわからず、会話の糸口も見いだせないまま、部屋を出る。
はぁ……。緊張しすぎて、どうしたらいいのかわからない。
私、これからちゃんとやっていけるのか、すごく不安だよ。
自分の部屋に戻って、ベッドにそのまま倒れ込むように体を沈めた。
女の子嫌いな人と、どう接したらいいのか……。
そんなことを考えていたら、春のポカポカした暖かい陽気に、いつの間にか意識を手放していた。