Truth ~隠されざる真実~
ある日、私がいつものように留守番していると、
お母さんは顔を真っ青にして帰ってきた。
「お母さん!!おかえり~!!!」
私は駆け寄った。
「紗彩…。私…詐欺にあった。」
「え?」
私が聞き返しても、お母さんは何も言わなかった。
そしてそっと抱きしめた。
その時、私には『詐欺』という言葉の意味が全く分からなかった。
でも、お母さんの様子からして、きっと何か大変なことが起きたということくらいは予想がついた。
次の日、朝起きると、お母さんがいかなかった。
いつもはいるのに……。
そう思っていると、隣の家に住んでいるおばちゃんが家に入ってきた。
そして、、、
「お母さんが!!あなたのお母さんが亡くなられたわよ……。」
と叫んだ。
いつも通ってる病院の屋上から飛びおり自殺したらしい……。
保険金で借金を返済しようと考えたみたいだった。
この時の記憶もここで終わっている。
そして今がある。
私の過去はぶつぶつと途切れていて、
この記憶が真実がどうかも分からなかった。
気づいたら渋谷女子高に通っていて、
女優をやっていた。
こんな曖昧な記憶………
創られた記憶に違いない……。
私はそう思っている。