記憶トリップ
記憶
現在
俺は何色ともいえない、あえて言うならゴミ色の毎日を送っていた。
自分の色を探さず、いろんな色を混ぜて
よく分からない色になったパレット。
俺の人生はそんな何色にもなれない人生だ。
「おっちゃん、ビールおかわり。」
「お客さん、飲み過ぎだよ。そのくらいにしといたほうがいいよ。」
「うるせーよ、客に指図すんじゃねぇよ。いいから持って来い。」
店員は困ったように俺を見て、酒を用意している。
時刻は夜の11時くらいだろうか。俺は一人居酒屋で飲んだくれている達の悪い酔っ払いだった。
いつからこんな毎日を送るようになったかは分からない。
何の志を持たないまま仕事をし、飲むために稼いでいると言ってもいいかもしれない。そんな不毛な毎日を俺は過ごしていた。
何気なく居酒屋のテレビを見ていると、丁度卒業式の特集をやっていた。テレビの中の彼ら彼女らの目には未来への期待や志を持っていた。俺にはそれがとても眩しい。
「もう十年前か………。」
俺にもあんなふうに未来を自由に想像する時期があったのだろうか。
「もう一度あの頃に戻れたら、あいつにも告白するのになぁ。」
あいつとは、小学校のころから幼馴染のスズのことだ。長年幼馴染として月日を重ね、俺が密かに想いを寄せていた女だ。
でも俺は、高校の卒業とともに都会に出てしまってここ数年間ほとんど会ってない。何も言えず、告白できなかったんだ。
「だったら、やり直せばいいじゃないか。」
唐突に俺に話しかけてきたのは、白髭を生やした50歳くらいの男だった。
「はぁ?オッサン何を言って……!?」
突如俺の頭に猛烈な頭痛が走った。
飲み過ぎたか?と朦朧とした意識の中思ったが、すぐに意識は消えていた。
俺は何色ともいえない、あえて言うならゴミ色の毎日を送っていた。
自分の色を探さず、いろんな色を混ぜて
よく分からない色になったパレット。
俺の人生はそんな何色にもなれない人生だ。
「おっちゃん、ビールおかわり。」
「お客さん、飲み過ぎだよ。そのくらいにしといたほうがいいよ。」
「うるせーよ、客に指図すんじゃねぇよ。いいから持って来い。」
店員は困ったように俺を見て、酒を用意している。
時刻は夜の11時くらいだろうか。俺は一人居酒屋で飲んだくれている達の悪い酔っ払いだった。
いつからこんな毎日を送るようになったかは分からない。
何の志を持たないまま仕事をし、飲むために稼いでいると言ってもいいかもしれない。そんな不毛な毎日を俺は過ごしていた。
何気なく居酒屋のテレビを見ていると、丁度卒業式の特集をやっていた。テレビの中の彼ら彼女らの目には未来への期待や志を持っていた。俺にはそれがとても眩しい。
「もう十年前か………。」
俺にもあんなふうに未来を自由に想像する時期があったのだろうか。
「もう一度あの頃に戻れたら、あいつにも告白するのになぁ。」
あいつとは、小学校のころから幼馴染のスズのことだ。長年幼馴染として月日を重ね、俺が密かに想いを寄せていた女だ。
でも俺は、高校の卒業とともに都会に出てしまってここ数年間ほとんど会ってない。何も言えず、告白できなかったんだ。
「だったら、やり直せばいいじゃないか。」
唐突に俺に話しかけてきたのは、白髭を生やした50歳くらいの男だった。
「はぁ?オッサン何を言って……!?」
突如俺の頭に猛烈な頭痛が走った。
飲み過ぎたか?と朦朧とした意識の中思ったが、すぐに意識は消えていた。