叶えたい約束と恋愛事情
そんな声が聞こえてきた。
お姫様…抱っこ。
私は今起きている状況を冷静に考えてみた。
ななななななんでっ!
なんで私がお姫様抱っこされてんの?
冷静に考えるなんて無理だった…。
「相変わらずドジだな」
「えっ?」
「昔となーんも変わってねぇな?」
そう言って私をお姫様抱っこしながらニッコリ笑った。
この笑顔…見覚えあるような。
と、とにかくこの状況はまずい…。
「あ、あの…ですね…」
「ん?」
「とりあえず下ろしてください…」
「んー。やだ。」
「は?なんで?」
「下ろしたくないから」
彼はそう言った。
なんで下ろしてくれないのよ!
こんな格好、恥ずかしいし…。
しかもさっきから女子の視線が痛すぎる…。
「お前さ…まさか忘れたの?」
「えっ?」
「はぁ…。ならこれで分かんだろ?亜依ちゃん」