叶えたい約束と恋愛事情
「じゃあ手伝う代わりにさ…」
「えっ…ちょっ…」
―ガタッ…。
颯音はそう言うと椅子から立ち上がり、机に手をついた。
そしてだんだんと私の方に顔を近づけてきた。
な、なに…。
これって…まさか…。
後もう少しで唇と唇が近づきそうになった時、私は思わず目をつぶった。
あ…れ?
なにも起きない…。
私は恐る恐る目を開けるとくすくす笑っている颯音がいた。
な、なんなのよ…。
「なに?キスして欲しいの?」
「えっ…あ、いや…」
き、キス…。
その単語を聞いただけで体が熱くなってしまう。
それよりも少し期待した自分がなにより恥ずかしい…。
「いずれしてやるよ。それまでおわずけな?」
「べ、別にいいっ!!!!」
「なんだよ。期待したくせに」
「う、うるさい!そ、それより手伝ってよ」
「はいはい」
そう言うと颯音はまた椅子に座り、プリントを手に持った。