EGOIST
『でね! 本当に運が悪いの』
遅刻決定の電車だからなのか、車内はガラガラ。
いつもなら座る事も出来ない座席に真紅くんと並んで座った。
『昨日も痴漢を目撃しちゃうし!』
『そりゃ、トラウマもんだな』
『そうなの! もうあの手つきがトラウマ』
真紅くんはケタケタと笑いながら話を聞いてくれる。
一緒に登校するなんて……
って不安だったけど、話しやすい人でよかった。
『真紅くんっていい人だよね』
こんなに安心できる人は中々いないよ。
『柚さん。 それ、褒め言葉じゃないからね?』
『そうかな?』
『そりゃ、いい人よりも、いい男に思われたいよ』
……かぁっと顔が熱くなる。
いきなり異性を主張するんだもん。
しかも、そんな真面目な顔をして。
『真紅、でいいよ。 呼び捨ての方が距離が近い気がする』
大きな手が、頬を包む。
あれ?
何だこれ。
『お、落ち着かない』
さっきまで、すごく安心できたのに。
私の心臓、すごい速さで脈打ってる。
『ははっ! 柚の顔、真っ赤』
目の前で咲いたような笑顔を直視できない。
『ヤバイな。 可愛すぎて、いい男になれそうもないや』
私、どうしちゃったんだろう……
遅刻決定の電車だからなのか、車内はガラガラ。
いつもなら座る事も出来ない座席に真紅くんと並んで座った。
『昨日も痴漢を目撃しちゃうし!』
『そりゃ、トラウマもんだな』
『そうなの! もうあの手つきがトラウマ』
真紅くんはケタケタと笑いながら話を聞いてくれる。
一緒に登校するなんて……
って不安だったけど、話しやすい人でよかった。
『真紅くんっていい人だよね』
こんなに安心できる人は中々いないよ。
『柚さん。 それ、褒め言葉じゃないからね?』
『そうかな?』
『そりゃ、いい人よりも、いい男に思われたいよ』
……かぁっと顔が熱くなる。
いきなり異性を主張するんだもん。
しかも、そんな真面目な顔をして。
『真紅、でいいよ。 呼び捨ての方が距離が近い気がする』
大きな手が、頬を包む。
あれ?
何だこれ。
『お、落ち着かない』
さっきまで、すごく安心できたのに。
私の心臓、すごい速さで脈打ってる。
『ははっ! 柚の顔、真っ赤』
目の前で咲いたような笑顔を直視できない。
『ヤバイな。 可愛すぎて、いい男になれそうもないや』
私、どうしちゃったんだろう……