EGOIST


『え〜! マジで高校生なの⁉︎』

無事に登校を済ませ、多恵達といつもの団欒。

『本当びっくりだよ。 同じ制服なんだもん』

今日の話題は勿論、あの事。

昨晩のホストさんが同級生だった事だ。

『でも、すごく楽しかった。 真紅もすごく笑ってて……』

今思い出してもドキドキする。
笑顔がすごく可愛い人だったなぁ。

『なになに〜! もう呼び捨て?』

多恵はニヤニヤと笑って、私の頬をつねる。

『ついに柚も恋するお年頃?』

『ち、違うよう! ただ楽しい人だっただけだよ〜』

恋とか、ちょっとまだパッと浮かばない。
出会ったばかりだし。

『多恵はいつもそうね。 すぐ恋愛に結びつけるんだから』

と、呆れたように溜め息をつく美里。

『だって、恋してた方が楽しいじゃん』

『そうかしら……』

『そうだよ〜! いつまでも元カレ引きずっても楽しくないし!』

多恵の言う事も一理ある気もするし。
美里も正しい事を言ってる。

う〜ん……
人それぞれなんだなぁ……

と、考えていると。

『って事は、涼くんも高校生⁉︎』

多恵がバンッと机を叩いて言った。

『え? それは聞いてないや』

『柚〜! それは聞いておくべきでしょ〜』

そんか事言われても……

『ねぇ! 放課後、男子部に行かない⁉︎』

『えぇ⁉︎』

『真紅くんを捕まえて、問い詰めるの!』

グッと拳を握り、不敵に笑う多恵。

それって、それって……

『私は行かないわよ。 寄りたい所あるし』

『美里には頼んでないも〜ん! 柚が来てくれるし!』

やっぱりそうなるよね〜‼︎

『放課後が楽しみだねっ! 柚!』

はぁ……
どうなっちゃうんだろう……

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