EGOIST
ここは猛獣の巣……
と、噂される俺達の通う高校。
『司! 今、暇か?』
真紅は勢いよく生徒会室の扉を開ける。
『真紅。 学校では「凍司先輩」と呼びなさい』
凍司先輩は、真紅の頭を鷲掴みながら言った。
『んな事より約束覚えてんだろうな』
『約束?』
『契約印があれば、俺はホストを辞められるんだろ?』
勝ち誇ったように笑う真紅。
『辞めていいとは言ってないだろ』
『なッ……!!』
『契約者以外の相手が出来ないだけだ』
「同じ意味だろ」と、真紅が怒鳴り散らす。
そんな2人を目の前にし、黙々と資料にホッチキスを止める。
まぁ、今さら動じないさ。
2人のこの喧嘩ごしの会話は、日常茶飯事なのだから。
『誰か見つかったのか?』
凍司先輩は、淡々と問いかける。
『北川柚』
柚……?
『俺、柚と契約するから』
『痛ッ……!』
柚の名前に動揺したのか、ホッチキスは予定の場所から大分それた。
そして指に浅く傷をつけていったのだ。
『今朝、偶然にも柚に会ったからさ』
真紅は試すような不敵な笑みを見せる。
『頼むよ。 柚を巻き込まないでくれよ』
柚にホストを買うお金があるとも思えない。
第一、真紅が柚に本気の恋愛をするとは思えない。
『涼には悪いけど、今んとこ柚しか興味ないや』
『興味って…… 恋愛感情じゃないだろ?』
『さぁね。 もう少しガキっぽさが抜けたらどうだろ』
フッと笑う。
こういう笑顔を見せる時はロクな事にない。
『でも、まぁ…… 涼の女だってのなら諦めるけどね?』
『……知ってるくせに』
俺達に特定の人がいないなんて事は、承知しすぎてるはずだ。
手口が卑怯なんだよ。
『それでも、大切なコなんだ。 諦めてくれよ……』
と、噂される俺達の通う高校。
『司! 今、暇か?』
真紅は勢いよく生徒会室の扉を開ける。
『真紅。 学校では「凍司先輩」と呼びなさい』
凍司先輩は、真紅の頭を鷲掴みながら言った。
『んな事より約束覚えてんだろうな』
『約束?』
『契約印があれば、俺はホストを辞められるんだろ?』
勝ち誇ったように笑う真紅。
『辞めていいとは言ってないだろ』
『なッ……!!』
『契約者以外の相手が出来ないだけだ』
「同じ意味だろ」と、真紅が怒鳴り散らす。
そんな2人を目の前にし、黙々と資料にホッチキスを止める。
まぁ、今さら動じないさ。
2人のこの喧嘩ごしの会話は、日常茶飯事なのだから。
『誰か見つかったのか?』
凍司先輩は、淡々と問いかける。
『北川柚』
柚……?
『俺、柚と契約するから』
『痛ッ……!』
柚の名前に動揺したのか、ホッチキスは予定の場所から大分それた。
そして指に浅く傷をつけていったのだ。
『今朝、偶然にも柚に会ったからさ』
真紅は試すような不敵な笑みを見せる。
『頼むよ。 柚を巻き込まないでくれよ』
柚にホストを買うお金があるとも思えない。
第一、真紅が柚に本気の恋愛をするとは思えない。
『涼には悪いけど、今んとこ柚しか興味ないや』
『興味って…… 恋愛感情じゃないだろ?』
『さぁね。 もう少しガキっぽさが抜けたらどうだろ』
フッと笑う。
こういう笑顔を見せる時はロクな事にない。
『でも、まぁ…… 涼の女だってのなら諦めるけどね?』
『……知ってるくせに』
俺達に特定の人がいないなんて事は、承知しすぎてるはずだ。
手口が卑怯なんだよ。
『それでも、大切なコなんだ。 諦めてくれよ……』