EGOIST
帰り道のコンビニ。
『わ、かわいー……』
今日発売の雑誌を手に取り、パラパラっと開く。
着まわし術や、メイク特集。
女の子は本当に忙しい。
『多恵も頑張んなきゃ』
ポツリと声に出す。
それと同時だった。
『それ以上可愛くなって、どうすんのー?』
後ろから男の子にそう声をかけられたのは。
『真紅くん! 』
『もう十分可愛いのに、女子は大変なんだね』
さっきまで私が読んでいた雑誌を手に取り、中身を覗く。
『真紅くんにとっても、多恵って可愛いんだぁ』
『やぁー、普通に可愛いでしょ』
苦笑しながらの返答。
とか、何とか言って落ちないくせに。
『多恵と付き合ってみる?』
少し意地悪してやろうと、腕を絡める。
が、しかし。
予想外にも振り払われる事なく、逆に指を絡めるように手を繋いできた。
『柚さんが、こうだったら楽なんだけどなぁ〜』
と、一言。
『何それ〜』
『勿体無いけどね。 多恵ちゃんに手を出すと、柚に嫌われちゃう』
するっと離された手が、何だか淋しく感じた。
そんなに柚がいいんだ……
『柚が羨ましいな…… 多恵も大事にされたい』
いつも浮気されたり、飽きられたり。
いい事ないなぁ。
『一気に路線変更したら?』
『路線変更?』
『そっ! いっそのこと凍司みたいなガッチガチの堅物とか』
『え〜‼︎ やだぁ!』
だってあの人、多恵の顔を覚えてもいなかったし。
絶対ぜ〜ったいパス‼︎
『わ、かわいー……』
今日発売の雑誌を手に取り、パラパラっと開く。
着まわし術や、メイク特集。
女の子は本当に忙しい。
『多恵も頑張んなきゃ』
ポツリと声に出す。
それと同時だった。
『それ以上可愛くなって、どうすんのー?』
後ろから男の子にそう声をかけられたのは。
『真紅くん! 』
『もう十分可愛いのに、女子は大変なんだね』
さっきまで私が読んでいた雑誌を手に取り、中身を覗く。
『真紅くんにとっても、多恵って可愛いんだぁ』
『やぁー、普通に可愛いでしょ』
苦笑しながらの返答。
とか、何とか言って落ちないくせに。
『多恵と付き合ってみる?』
少し意地悪してやろうと、腕を絡める。
が、しかし。
予想外にも振り払われる事なく、逆に指を絡めるように手を繋いできた。
『柚さんが、こうだったら楽なんだけどなぁ〜』
と、一言。
『何それ〜』
『勿体無いけどね。 多恵ちゃんに手を出すと、柚に嫌われちゃう』
するっと離された手が、何だか淋しく感じた。
そんなに柚がいいんだ……
『柚が羨ましいな…… 多恵も大事にされたい』
いつも浮気されたり、飽きられたり。
いい事ないなぁ。
『一気に路線変更したら?』
『路線変更?』
『そっ! いっそのこと凍司みたいなガッチガチの堅物とか』
『え〜‼︎ やだぁ!』
だってあの人、多恵の顔を覚えてもいなかったし。
絶対ぜ〜ったいパス‼︎