EGOIST
第二章
RYOU
「夢野くん、すぐに帰る支度を!!」
「え……?」
「両親が……!!」
ICU集中治療室。
聞き慣れないその空間は、冷たいガラスで囲われた白い箱。
体には無数の管が着けられ、辛うじて生きているという状態。
「お前らッ! 母さんに何してんだよ!!」
「夢野くん、落ち着いて!」
「何なんだよ一体!! 親父はどこだよッ……」
俺の言葉は静かな廊下に響いて、周りの空気を一瞬で変えた。
「夢野くん…… お父さんは……」
「………え?」
辛そうな顔で案内されたのは、母さんのいた箱より小さく……
比較できないほど冷たい場所だった……
「可哀相にねぇ? 息子さんもまだ中学生なのに」
「相手の信号無視だそうで…… 奥さんはまだ目を覚まさないそうよ?」
母さんも親父も、
あの日から光を失った。
「涼ちゃん、柚ねー…… 一人ぼっちになっちゃった」
俺はあの時、柚に何て言った?
「俺がいるじゃん」
そう言ったんだ……
今度は俺が一人ぼっちじゃんかよ……
柚……
帰ってきてよ……
「え……?」
「両親が……!!」
ICU集中治療室。
聞き慣れないその空間は、冷たいガラスで囲われた白い箱。
体には無数の管が着けられ、辛うじて生きているという状態。
「お前らッ! 母さんに何してんだよ!!」
「夢野くん、落ち着いて!」
「何なんだよ一体!! 親父はどこだよッ……」
俺の言葉は静かな廊下に響いて、周りの空気を一瞬で変えた。
「夢野くん…… お父さんは……」
「………え?」
辛そうな顔で案内されたのは、母さんのいた箱より小さく……
比較できないほど冷たい場所だった……
「可哀相にねぇ? 息子さんもまだ中学生なのに」
「相手の信号無視だそうで…… 奥さんはまだ目を覚まさないそうよ?」
母さんも親父も、
あの日から光を失った。
「涼ちゃん、柚ねー…… 一人ぼっちになっちゃった」
俺はあの時、柚に何て言った?
「俺がいるじゃん」
そう言ったんだ……
今度は俺が一人ぼっちじゃんかよ……
柚……
帰ってきてよ……