EGOIST
午前10時。
待ち合わせの時刻まで後、1時間。
《ぴんぽーん》
突然、家の中にインターホンが鳴り響く。
誰だろう。
こんな朝に。
不審に思いながら扉の覗き穴から覗く。
すると、そこには……
『涼ちゃんっ!』
涼ちゃんが立っていた。
『どうしたの? こんな朝早くに』
がチャッと扉を開け、中に招き入れる。
『いや、ジャンケンに負けたからさ…… せめて朝くらい一緒に行こうと思って』
ジャンケン?
『上がっていい?』
『どーぞ、どーぞ! 多恵と美里もいるよ!』
涼ちゃんにスリッパを出して中に案内した。
『あ~、涼!!』
突然の訪問者に、中でお菓子を食べていた多恵が声を上げる。
涼ちゃんは苦笑して、同じように床に座った。
『ねぇねぇッ! 涼にお願いがあるんだけど!』
『うん? 何?』
『遊園地、私と一緒に回ろ!』
涼ちゃんの腕にしがみつく多恵。
ま、大胆!
涼ちゃんはチラリと美里を見て笑う。
『良かった…… 可愛い方で』
『丸聞こえだっての!』
美里はバッと立ち上がり、涼ちゃんにお菓子を投げ付ける。
『涼ちゃん! 美里は美人で有名なんだよ!』
『へ~、ほ~…… この凶暴女がねぇ……』
完全に疑惑の目を向ける涼ちゃん。
もう!
すぐ美里に意地悪するんだから!
『んな事より懐かしいなぁ~。 柚の家』
と、突然話題を変えられる。
『涼ちゃんいつもベランダから来たよね!』
毎日のように行き来した部屋……
懐かしいな。
いつも涼ちゃんが傍にいたっけ。
『ねぇ、柚? 真紅と俺、どっちが好き?』
涼ちゃんはベランダの扉を開けて外に出る。
あれ?
背が伸びたせいか、あの頃涼ちゃんと見た風景とは少し違って見えた。
涼ちゃんから見たらもっと違うんだろうな……
『真紅は、まだ知り合ったばかりだよ?』
『んじゃ俺の事、好き?』
涼ちゃん、何を言ってるんだろう。
『好きに決まってるよ!』
私が涼ちゃんを好きじゃないなんて事、
絶対にないのに……
待ち合わせの時刻まで後、1時間。
《ぴんぽーん》
突然、家の中にインターホンが鳴り響く。
誰だろう。
こんな朝に。
不審に思いながら扉の覗き穴から覗く。
すると、そこには……
『涼ちゃんっ!』
涼ちゃんが立っていた。
『どうしたの? こんな朝早くに』
がチャッと扉を開け、中に招き入れる。
『いや、ジャンケンに負けたからさ…… せめて朝くらい一緒に行こうと思って』
ジャンケン?
『上がっていい?』
『どーぞ、どーぞ! 多恵と美里もいるよ!』
涼ちゃんにスリッパを出して中に案内した。
『あ~、涼!!』
突然の訪問者に、中でお菓子を食べていた多恵が声を上げる。
涼ちゃんは苦笑して、同じように床に座った。
『ねぇねぇッ! 涼にお願いがあるんだけど!』
『うん? 何?』
『遊園地、私と一緒に回ろ!』
涼ちゃんの腕にしがみつく多恵。
ま、大胆!
涼ちゃんはチラリと美里を見て笑う。
『良かった…… 可愛い方で』
『丸聞こえだっての!』
美里はバッと立ち上がり、涼ちゃんにお菓子を投げ付ける。
『涼ちゃん! 美里は美人で有名なんだよ!』
『へ~、ほ~…… この凶暴女がねぇ……』
完全に疑惑の目を向ける涼ちゃん。
もう!
すぐ美里に意地悪するんだから!
『んな事より懐かしいなぁ~。 柚の家』
と、突然話題を変えられる。
『涼ちゃんいつもベランダから来たよね!』
毎日のように行き来した部屋……
懐かしいな。
いつも涼ちゃんが傍にいたっけ。
『ねぇ、柚? 真紅と俺、どっちが好き?』
涼ちゃんはベランダの扉を開けて外に出る。
あれ?
背が伸びたせいか、あの頃涼ちゃんと見た風景とは少し違って見えた。
涼ちゃんから見たらもっと違うんだろうな……
『真紅は、まだ知り合ったばかりだよ?』
『んじゃ俺の事、好き?』
涼ちゃん、何を言ってるんだろう。
『好きに決まってるよ!』
私が涼ちゃんを好きじゃないなんて事、
絶対にないのに……