EGOIST
退場門で合流し、遊園地の傍のファミレスへ。

『どうした!? 顔が赤いぞ?』

席に座るなり、凍司くんの第一声。

『凶暴な猿にやられて……』

真紅くんは泣きまねし、答える。
……って猿って失礼な。


『それより俺から一つ提案があるんだけど』

『提案?』

真紅くんの言葉に他の5人は視線を移した。

『今日は楽しかったけどさ。 俺達はホストで、今日は口止めのために来てるわけじゃん』

『……そうだな』

『じゃあ、もうこれっきりって事だろ?』

……これっきり。

そうか。
約束の一回が終わってしまったら、もう会う理由がないんだ。

『多恵ちゃん、寂しいよね?』

『う、うん』

すごく寂しい。

『だからさぁ。 今から友達になんない?』

『友達?!!』

ざわつく一同。
まさかそんな事を言い出すなんて……

『ホストとしてじゃなく、友達としてまた遊びたいな』

『うん! それいい!!』

辺りを見渡すと、残りの4人も小さく頷いた。

それを見て真紅くんは満足げに笑う。

『んじゃ、次の計画たてよっか!』

ホストではなく、お友達として。
新しい関係が始まる。

何だかそれって、すっごく嬉しい。
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