EGOIST
帰り道……
いつもの時間にいつもの電車。
今日も真紅に会ってしまうかも知れない。
そう思うと心臓が破れそうだ。
『よし!! 忘れよう!』
こうゆう事は忘れるに限る!
小さくガッツポーズをして前に進む。
『なーにを忘れるって?』
そんな私の背中に重くのしかかるモノが……
こんな事する人は一人だけ。
『し……真紅?』
『当ったり~』
やっぱり真紅だった。
『それより忘れるって何を?』
『そりゃキ………いえ、ごほっごほっ』
その場の流れで言ってしまいそうになる。
ヤバいヤバい。
忘れるって誓ったばかりなのに
『わかった。 この間のキスでしょ』
真紅はずばり当てると意地悪な笑みを浮かべる。
何でそんなに鋭いの~!?
『そんなに忘れたい?』
『別にそんなわけじゃないけど…… ただ気まずくなるの嫌で』
『ふーん……』
あ、
また少し不機嫌そう。
『ごめんね? 私、不器用だから……』
小さい頃に、涼ちゃんとしたキスと同じものだと思えば軽いんだけど。
それはどうしても出来なかった……
『真紅はホストだし…… 慣れてるだろうけど、私は……』
そう言いかけた時、真紅の大きな手が額を押した。
少し体のバランスが崩れて倒れそうになる。
『その純粋なとこ。 そこが気に入ったの』
『え?』
『仕事柄ね、人間の汚い所ばかりで。 正直、人は好きじゃない』
少し寂しそうに笑う真紅につい見入ってしまう。
『でも柚は綺麗で、好きだよ?』
『え……?』
『だからキスした』
真っ直ぐな声。
強い視線。
怖いほど綺麗で、視線を合わす事は出来なかった。
いつもの時間にいつもの電車。
今日も真紅に会ってしまうかも知れない。
そう思うと心臓が破れそうだ。
『よし!! 忘れよう!』
こうゆう事は忘れるに限る!
小さくガッツポーズをして前に進む。
『なーにを忘れるって?』
そんな私の背中に重くのしかかるモノが……
こんな事する人は一人だけ。
『し……真紅?』
『当ったり~』
やっぱり真紅だった。
『それより忘れるって何を?』
『そりゃキ………いえ、ごほっごほっ』
その場の流れで言ってしまいそうになる。
ヤバいヤバい。
忘れるって誓ったばかりなのに
『わかった。 この間のキスでしょ』
真紅はずばり当てると意地悪な笑みを浮かべる。
何でそんなに鋭いの~!?
『そんなに忘れたい?』
『別にそんなわけじゃないけど…… ただ気まずくなるの嫌で』
『ふーん……』
あ、
また少し不機嫌そう。
『ごめんね? 私、不器用だから……』
小さい頃に、涼ちゃんとしたキスと同じものだと思えば軽いんだけど。
それはどうしても出来なかった……
『真紅はホストだし…… 慣れてるだろうけど、私は……』
そう言いかけた時、真紅の大きな手が額を押した。
少し体のバランスが崩れて倒れそうになる。
『その純粋なとこ。 そこが気に入ったの』
『え?』
『仕事柄ね、人間の汚い所ばかりで。 正直、人は好きじゃない』
少し寂しそうに笑う真紅につい見入ってしまう。
『でも柚は綺麗で、好きだよ?』
『え……?』
『だからキスした』
真っ直ぐな声。
強い視線。
怖いほど綺麗で、視線を合わす事は出来なかった。