EGOIST
『紹介するね。 真琴6歳、千尋5歳、勇人4歳』

弟達を拾い、自宅へ帰ると改めての自己紹介。

『んで、一番下が双子で栄と光、2歳』

チビ達は臆する事無く柚の周りをうろつく。

『さすがに引くっしょ、今時この大家族』

自分でも苦笑してしまう。
おまけに部屋もおもちゃが散乱して、まさに大家族だ。

『ううん! すっごく可愛い! 遊んでっていい?』

『……え?』

満面の笑みに予想外の返し。

『私、一人っ子だから弟とか欲しかったもん』

床に捨ててあった車のおもちゃを嬉しそうに拾う柚。
つられて栄が車を走らせた。

『そうだ! 真琴くん達も海に行こうよ! 一緒にお山作ろうよ』

まさかそんな風に言ってもらえるとは思わなかった。

『……俺の目に狂いはなかった』

『え?』

『柚で良かった』


ほら言っただろう?
この子なら、背中を押してくれるって。

全て包み込んでくれるって……
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