糖度∞%の愛【改訂版】
それは記事の最後の方の、“社員の叫び”と銘打たれた、社員投稿型の記事だった。
いつもはそこに、3,4人の記事があるはずだった。なのに今日は何故か、その人数分のスペースが一つになっている。そしてそこには、でかでかと大きな文字で三行の文が書かれていた。
「なっ!?」
それを見た瞬間、ガタンを椅子を倒しながら立ち上がる。
思わず周りを見回すと、わざとらしく視線をそらす人や、にやにやと笑って見てくる人。
これか。これをみんな見たから、さっき私に変なくらい注目してたのか。
――……やられた。
これは怒るに怒れない。
そして確かに、帰りにはロッカーへのメモはなくなるだろう。
「イイ男捕まえたな、美崎」
かけられた部長の言葉に、私はただ笑って頷いた。
美崎沙織は俺の大切な人です。
誰であろうと傷つけることは許しません。
異論のある方は、五月女彼方まで。
―― こんな言葉言われたら
何をされても気にならないくらい
あなたのことが好きになる。 ――