ゴッドネス・ティア
「腕…大丈夫ですか?」



心配そうにアザになった腕を指差す。


実際大丈夫ではないが、心配させたら悪いので、大丈夫だよ、と微笑んでみせた。


本当は金切り声をあげて叫びたい程の痛みだが、必死に堪えて平静を装う自分をまた一つ大人になったな、とかなんとか思いながらレオナのもとに駆け寄った。



「よし、おまえら異常なし!
傷もたいしたことないし、もう大丈夫だ」



気絶組の傷を手当し終わったレオナは溜息混じりで三人に告げた。



「助かったよ」



「もぉ〜ありがとぉ☆アハハ〜!」



「ありがとうございました」



手当された傷を抑えながら口々にお礼を言う三人。



「ところで、おまえらどこの奴だ?道中は危ないから俺達が送ってってやるよ」



珍しく、めんどくさがりやのレオナがこれまためんどくさそうな発言をした。


自分との待遇の違いにまたもやムッと顔をしかめるヒサノ。



「いや、私達は大丈夫だ。
女だからといって、弱いわけじゃないからな…気持ちだけで十分だ、ありがとう」



「ぇえ〜、リュンマはもっとレオナとかヒサノとかアランとかとお話したい〜!!」



「おまえは少しは大人になれ!!」



つまらなさそうに唇を尖らせてブーイングをとばすリュンマを一喝して、リュンマの言葉にただ一人入ってなかった人物を申し訳なさげに見た。


リュンマに呼ばれなかった本人は柄にもなく傷ついているようで小さく肩を落としている。


そして、重々しく口を開いた。



「そういえば貴様等、国王国家女五大騎士とかぬかしていたな…。
それは本当か?」



リュンマへの怨みを晴らすように、凄みのある声で問いかけた。


貴様等、といっても目線はリュンマへ一直線である。



< 113 / 506 >

この作品をシェア

pagetop