ゴッドネス・ティア
「立てるのがやっとってとこか…、キツイよ?
結構深くやっといたからさ」



「ル・メイ…お前は遠くから攻撃しろ、オレは前線でいく…」



勝利の女神は俺のもんだ、というような笑み(華蓮の目線)にムカついたのか、本格的に戦闘体制にはいった。



「ぇえ?!ムリだって、華蓮ちゃん死ぬよ!!」



後で華蓮に怒られてしまうということも忘れて、ムリムリと断然拒否。


華蓮は少しムッとしたが、ル・メイを安心させるためか今まで見たことないくらい優しく微笑んだ。



「オレを誰だと思ってんだ?
乙葉 華蓮様がここで死ぬわけないだろ」



いつもと同じ、上から目線。


だけど、その言動は優しくて、


ル・メイは思いの外、安心してしまった。



「へぇ、やるんだ。
がんばるねぇ華蓮ちゃんは…。
まあいい、ここでメルス様と一緒に眠らせてあげるよ」



スーは満足そうにニコッと笑んだ。


それが合図だったかのように、メルスの墓から消えた。


気付くと、華蓮達の反対の向こう側に立っている。


メルスの墓を挟むように睨み合う三者。



「…では、こちらから!」



華蓮はふらつく足どりで、駆け出した。



「ハハッおもしろいね」



華蓮と同じように、だがしっかりとした足どりでスーもこちらへ駆け出した。


スーに近づいた華蓮は剣を大きく振り上げる。


そして接近してきたスーに突き刺そうとした。


だが、軽く避けられる。



「動きがにぶいよ」



スーは華蓮の後ろに回り込んで手で攻撃するが、気付いた華蓮は苦しげに鞘で背中を守る。




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