ゴッドネス・ティア
「スー!!」



ふと、名前が呼ばれた。


反射的に呼ばれた方を振り向いてしまうスー。


すると、目の前から銀に光る物が見えた。



「よそ見すんなぁ!」



「!!」



スーの隙を見逃さずに切り掛かってくる華蓮。


それを避けると同時に銀に光る物が頬をかすめた。


頬に熱い感覚がうまれる。



「あっぶねぇな、…突き刺さるとこだったよ」



「突き刺してあげるよ」



銀に光る針…より少し太めな武器を投げた張本人、ル・メイを軽く睨みながら、頬から流れる生暖かい血を拭う。



「…ま、いいか。
ハンデとしてね…」



そして、また華蓮に向き直った。


また不気味に笑って、戦闘体制にはいる。



「すぐ、楽にしてあげるよ」



その言葉と共に、スーはまた消えた。


だが、スーが走るような…そんな音はする。


まるで風のようだ。


だんだん近づいてくるのがわかるが、…速い!



ズバッ!!



「ぐっっ!!」



左肩にまた、熱い刺激が走る。


もう左は使えない。


大量の血が、ボタボタと音を起てて落ちていく。


目がかすむ…血を失くしすぎた…。


イテェ………


スーの言うとおり、痛みを耐えながら立つのがやっとだ。


正直、痛くて痛くて…立っているのも苦しい…





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