ゴッドネス・ティア
「なんだこりゃーー!!」



目的地へ行くための懸け橋になるはずのものを見て、レオナは素っ頓狂な声を発して思考停止した。


その場に苦い空気が漂う。


目的地である『魔女の村』に行くためには、大きな古い橋を通らなければならない。


だが今、その橋はまるで一戦あった後のようにボロボロに崩れさっていた。


そして、橋の傍には見たことがない奇妙な動物。


ていうか、太りすぎだ。


動物のくせに青い肌に段々腹が見える。



ムンアンオーーー!!



「あームンマだぁ!
香月ぅ、ムンマちゃんといたよっ!」



どうやらあの奇妙な動物は国王騎士が飼っているものらしい。


ムンマと呼ばれた動物の背後には、十人は楽々乗れそうな馬車が着けられていた。



「…あれ牛か?」



「ううん、馬!」



リュンマに笑顔で返されて、反論することも出来なくなった。


リュンマのことは諦めて香月の傍に寄り、耳元で囁く。



「エサ、どんだけやってんだ?」



「…フツーだ」



触れられてほしくない話題のようで、短く、素っ気なく返された。



「香月〜っ来てーん♪」



リュンマに呼ばれた香月
は軽く溜息をつきながらも仕方なく、リュンマの方へゆっくり歩いて行った。


香月がムンマに近寄るとムンマは、寂しかった!とでもいうように香月に擦り寄った。


丸い純粋そうな目をキラキラ輝かせて、甘えまくる。


どさくさに紛れて、リュンマもムンマと一緒に甘えていた。


香月はムンマとリュンマを優しく撫でたとか。



「つか、スノーリア、橋がねぇよっ、どうする?」



あるはずの橋を見ると橋はなく、深い谷。


スノーリアは水があると言っていたが、崖しかない。


一応、崖の下には水が流れているようだが、谷は深く、チョロチョロと流れているのしか見えない。




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