ゴッドネス・ティア
「人の飯とんなぁ〜ｸﾞｩ…」



「…どうやら寝言みたいですね」



苦しげにうなりながら顔をしかめる香月はまだ夢の中であった。



「よ、よかった〜…もしやあのことがバレたのかと思ったよ〜…」



「あのこと…？
それはどんなことだ？
さっきのビンタか？」



一応身に覚えがあるらしく、ホッと安堵の息をつく。
そんなリュンマをレオナは不思議そうに見た。


これまでの数時間の間にいくつか香月に迷惑を被るだろうと思われる行為を見てきたが、香月はイライラと眉間にシワを寄せるだけで怒鳴り散らしはしなかった。


過去にそれ以上のことをしてきたのかと思うと香月に哀れみの眼差しを向けている自分がいることに気付くレオナであった。



「どんなことって…、
それはぁ…乙女のヒ・ミ・ツ♪」



うまくはぐらかそうとするリュンマ。


だが、軽く冷汗をかきながら究極のスマイルを見せるリュンマは明らかに不自然であった。


香月ドンマイ。




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