ゴッドネス・ティア
「もうそろそろケルサニオスに着くぞ…」



この騒ぎの中、一人冷静沈着なスノーリアは軽く錆びて古臭くなりつつある窓を開けて、一点を指差した。

指の方向には、先日ゆっくりと休日を過ごしたケルサニオスが小さく見える。



「戻って来ちゃったね……」



「せっかく歩いたんですけどねえ……」



体力のなさ気なヒサノ、アランの二人が少し悲しそうに肩を落とす隣、でレオナはケルサニオスを睨むようにまじまじと見つめた。

不愉快そうに顔をしかめて顔を窓から覗かせる。



「なーんか、村が紫になってねぇか…?」


「紫?そんなことはないはず…」



つられてヒサノも窓から覗いてみる。

レオナは更に身を乗り出した。



「わかるか?紫っぽい煙が…」


「…モヤーっと煙が…紫とはわかりませんけど…」


「ヒサノは眼鏡をかけろ!とにかく何かおかしい!!」




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