ゴッドネス・ティア
「当たり前だ。…………この村にはもう生き残りなどいないだろうからな」



辺りが鎮まる中、一人冷徹な言葉をはいた。

その言葉で一瞬にして空気が凍る。


国王騎士と言葉を発した本人を除く三名の息を飲む音が聞こえた。



「……ス、スノーリアさんなんて事言うんですか!」


「有りのままを言ったまでだが?」


「まだわかんないじゃないですか!」


「この状況を見てそんなこともわからないのか?」



冷徹で冷酷な言葉に反論を浴びせるヒサノだが、冷たくあしらわれる。


そう、本当は皆感づいていた。


この村にはもう生き残りはいない。



村から数十メートル離れた場所でもムンマが動けなくなった猛毒だ。

そんな猛毒の巣の中で生きていられるはずがない。




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